はと/剣山登山第一日目
みなさん、こんにちは。ちょっとご無沙汰でした。休みの後は、とてつもなく忙しくなる職場ですので仕方がありません。台風はだいぶくたばっているようですが、それでも強風は吹くし大雨は降るでしょう。雨は降って欲しかったのでうれしいですね。ゲリラ豪雨だけ気をつけていれば大したことはないでしょう。
さて、天気が思わしくなくて、懸念だった剣山登山、結局私たち2人だけで登ってきました。一泊して、翌日下山と同時に雨が降り出してラッキーでした。体力はそれほど使わなかったし、いい人が多くて楽しいのんびりした山行でした。では、紀行記です。今日は、「剣山登山第一日目」です。
朝は、高速道路の通勤割引が5時から9時までなので、わりとのんびりと7時半に家を出ました。あとから思えば、もう少し早く出ていたほうが、あちこち寄ることができたはず。天気がいまいちだったので、心のどこかでブレーキがかかっていたのでしょう。雨の登山はしたくない。となると、せっかく徳島まで行って、そのまま帰るなんていやですからね。降るなら早く降ってくれ、という気持ちでした。
①【与島の展望台より】タンカーがどんぶらこと泳いでいますね。海の眺めはなかなか良いです。

ところが、高速道路を走って、瀬戸中央道に入っても、晴れているではありませんか。まあ、南へ行くとどうなるか分からないですが、とりあえず、やる気まんまんになりました。有名な与島PAへは行ったことがないので、寄りました。ところが、きっと古い油だったのでしょう。朝っぱらから、てんぷら屋のいやな、吐き気を催す匂いをたっぷりかがされて、第一印象、超悪。別においしいものとかきれいなものもなかったですね。ちょっとだけいい景色を眺めて、出発しました。たぶん、二度と立ち寄ることはないでしょう。
②【同じく展望台にて】ご存知、瀬戸大橋のうちの1つ(名前は?)。そばの男の子は、私の孫?(ではありません)


坂出ICから、国道438号線をひたすら南下する。田舎道なのに、前の車が遅い、どうしてこんなに遅いんだ。ガソリン代は、少し安くなったのだし、信号のない平らな道なのだから、(オマワリさんもたぶんいないので)もっと早く走ってくれー。えらく手間取ってしまいました。余裕があれば、満濃池にも寄ろうと思っていましたが、パス。やがて、ちょっと山越えして、美馬ICのある貞光まで来て、さあ、ここからが本番です。あいかわらず道は国道438号線です。深ーい深い谷川沿いにある商店で、トイレを借りてサンドイッチを買って、ちょっと腹ごしらえをしました。
③【深い谷を隔てた向こうの人家】懐かしい風景です。イノシシ除けがあります。ここには、この4軒しか人家はないのです…。

さてさて、人家は途絶え、道はだんだん狭くなり、渓谷沿いにはたまた山腹を巡って、車はどんどんと高みへ登って行きます。秘境だ。愛媛や高知の山村に匹敵します。わが広島県にはすでに見られなくなった風景が展開します。これって、懐かしくてわくわく興奮しますね。ど田舎大好き。そしてね、恐るべきことに、この先に人は住んでいないだろうと思っていると、突然に集落が出現するのです。こんな高いところに家なんてないだろうと思っていると、突如として畑があり人家が見えるのです。
そうこうしているうちに、旧剣山ドライブウェーまでやって来ました。貞光からの道は、31年前に通った道ですが、狭くあちこちで道路工事をしていたくらいしか覚えていません。たった一箇所、途中休憩したところに見覚えがあっただけです。このドライブウェーは、自衛隊が作った道路として有名で、31年前は断崖絶壁を通る未舗装のでこぼこ道でした。現在はもちろん舗装されていますし、ところどころ広くなっていて、一車線ですが、十分に交わせます。ガードレールもばっちりあるし、何よりも周囲の樹木が大きくなり生い茂っているので、断崖絶壁は完全に隠れています。スキー場(こんなところまで来る気が知れませんが…)、夫婦池の峠を過ぎたあたりから、舗装やり直しの道路工事、そして断崖絶壁を道になりましたが、広くしているので何のことはありません。ということで、登山基地の見ノ越(みのこし)までやってきました。
④【昼食】なかなか美味しそうでしょう。1500円は高いね。足元を見やがって、くそ。


ただいまの時刻は12時半でした。途中、遊ばなければ4時間ちょいで来るのです!これには、驚きました。石鎚スカイラインを通って土小屋までと同じ所要時間ではありませんか。福山~坂出が1時間、坂出~美馬が1時間、美馬(貞光)~見ノ越が2時間という具合です。これからは、せっせと剣山へ来ることにしますので、徳島支部のみなさんは、たまには山に登りましょうね。
まず昼食です。もちろん祖谷そばとアメゴの塩焼きです。むむむ、「レストハウス霧の峰」大昔もここで食べた記憶があります。しかし、ここはやめましょう。愛想がないし、高いし、値段の割にはおいしくありません。どうしても観光客は、いちばん大きな派手な店に入りますが、ここはよくありません(断言)。かくして、お店の人は、一見の客の怖さ、インターネットの怖さを知るべきなのです。
⑤【剣山登山リフト】残念ながら、写真ではよく分かりません。大きな傾斜でけっこう怖い。


雨は降っていませんが、上、つまり山のほうは完全にガスの中です。とりあえず山頂まで行って、ヒュッテで天気を尋ねてから、泊まるかどうかを決めよう、そのためには、荷物を全部持ち上げようということになって、もちろんほとんどの荷物を私の大きなザックに入れて準備をしました。私一人ならば、下から歩くことを選択したでしょうが、そこは山では弱いまり子さんがいますので、途中まで登山リフトを利用します。これが高い!往復で一人1800円です。数あるリフトの中で、最も高いのではないでしょうか?でも、こんな山奥で季節限定、天候に影響される、また安全管理の必要な商売ですから、経営としてはこれくらいは取らないとやっていけないと思います。インターネットからの10%の割引券を使ってちょっとだけ得をしましょうね。15分間で、水平850m、垂直330mほど運んでくれて、終点の西島駅(標高1750m)に着きます。ふふふ、実は剣山は、石鎚に次ぐ高さで、1955mなのですが、これであと200mの標高差を詰めればいいのですから、まり子さんにも登れると思ったのです。このリフトはかなり急勾配です。下りが期待できます。途中で登山道とクロスします。
⑥【リフト終点より】終点は山腹ですが、地名はなぜか「西島」今度来た時は、その由来を聞きますね。頭上に、山頂ヒュッテの別館「雲海荘」が見えます。あそこまで行けばいいのです。大きく見えている割には、距離はありますから御用心。

西島駅から山頂までは、3本の道があります。いちばん急坂ですが、所要時間が短い尾根道コースを選びました。まり子さんがぐずぐず言っても、短時間なら何とかごまかせるからです。帰りは、最も人気のある大剣神社コースを取ることにしましょう。最悪なのは、遊歩道コースです。最初は、その名のとおり、たら~んとした、ほぼ水平道なのですが、どっちみちツケはやってくるのであり、ぐるりと回った後は、ひたすらジグザグジグザグと斜面を登っていかなくてはなりません。いやになります。まあ、お年寄りにはいいかもね…。
⑦【登山道にて】まあ、こんな感じの階段状の道がずっと続きます。階段は疲れますが、ゆっくりと登るならば楽です。ガスが出ていますね。雨の準備をしていますが、結局、山では一度も使いませんでした。


話に聞いてはいましたが、剣山の鹿害(しかがい?)はすさまじいものがあります。毒草のトリカブトと、たぶんまずいのだろうクガイソウ以外は、よく食べられていて、クガイソウの群落の中が円形、楕円形に剥げています。そこだけ、食べ尽くしたのです。植生が単純になってしまうのは、仕方がないですが、降水がもろに地面をはいますから、だんだんと土壌がはげてきて、崖が崩れていきます。大規模な崖崩れを防ぐために、尾根には網を張って、鹿が入れないようにしています。尾根が裸になると、そこから大量の水が土壌に浸入して崖崩れを引き起こすからです。笹原や林の中に、彼らの通り道が何本もできています。そして、くちゃーいんだ、ウンチがあちこちあります。山中の鹿はけっこう夜行性ですから、昼間は谷あいで眠っているのでしょうね。今回は一度も見かけませんでした。標高の低い山林はもっと悲惨です。上から見るとよく分かりますが、木々の間に草はありません。土が見えています。これでは、雨が降るたびに土壌が流されて、ひいては樹木の根が洗われて、倒れてしまうかもしれません。わずかのカモシカも鹿に追いやられて、数が減っているそうです。南アルプスは、本当に何箇所も崖崩れが起きていて、登山道を作り変えています。そのうちに、食べ物がなくなって、また鹿の数は減るはずですが、少しは人為的に数を減らしたほうがいいのではないかと思いますねー。
⑧【シコクブシ】猛毒トリカブトの一種です。剣山はほとんどこればかりです。漢字で書くと、「四国附子」ですが、狂言の「附子(ぶす)」については、いくらかご存知ですよね。やはり毒です。

⑨【鹿のフン】ま、見たら分かりますね。ぽろぽろと、あそこから落ちてくる。

さて、何だかんだと言いながらも、頂上ヒュッテに着きました。しかし、まずは、そのまま山頂まで行きましょう。そうそう、この頃になるとちょっと雲が切れてきました。日が差すと暑いです。ガスも流れ去って、まあまあ景色が見えています。ラッキー。写真を撮りましょう。そして、ヒュッテで相談です。
⑩【剣山山頂にて】知らない人は、剣山の名前から、険しい山容、尖った山頂を想像するかもしれませんが、しかしてその実体は、なだらかな山容、平らな山頂なのです。え、ここがてっぺんなの?初めての人は、みんなそう言います。

満足、満足。腹は見ないように。うーん、どうしても目がいってしまう…。ふだん、私もそうです。

⑪【向こうに見える次郎笈(じろうぎゅう)】変な名前の山ですが、美しい山です。剣山よりも人気があります。

⑫【まあ、こんな感じ】部分的に、石鎚や瓶ヶ森に似ています。一面の四国笹にツガかシラベの立ち枯れの白骨樹が点在しています。

向こうに見えるのは、手前から「二の森」「一の森」です。石鎚山系にも、「二ノ森」という山があります。一の森のヒュッテは居心地がいいらしいですー。今度来たら、このあたりも「散策」しようと思います。

⑬【笹で覆われた山頂】ですが、少し前は、山頂は裸地でした。草や笹が、多くの登山者に踏まれて枯死して、春の雪解け水で表土が流されて悲惨な状況だったようです。それは大山も同様でした。そこで5億円かけて、山頂一帯に木道、展望テラスを設けて、そこ以外は立ち入り禁止という強硬手段をしいたのです。現在は、このようにきれいに復活しています。大山も今はきれいになっていますね。

「こんにちは。予約をしていた者です。来たのですが、実は泊まろうかどうか迷っています。明日の天気次第なのですが、明日は雨でしょうか?」「これだけは、どうしても天気次第というしかないのです。が、きっと今日と同じようなものでしょう。」ということでしたので、せっかく来たことだし、のんびりしたいので泊まることにしました。そして、お腹が空いたので、おでんを取って食べました。この時期は、いわゆる山の端境期なのです。花は終わっているが、紅葉にはちょっと早い、メインのアトラクションがないときです。でも、まだ緑は濃いし、秋の花がいくらかあるし、何より人が少ない、静かな良い時期なのです。今回も、4グループで、9人だけの泊まりでした。
とりあえず、天気がもっている間に、隣の次郎笈(じろうぎゅう)まで行って来ることにしました。美しい山です。剣山の女房のような感じの山(笑)。剣山の頂上をすたこらと下りて、また登り返して、40分くらいで着きました。ところが、その頃から、またガスが出てきて、どうもこうもならないくらい、真っ白くなって何も見えなくなりました。それで、さっさと引き返しました。
⑭【晴れていたらなあ】ジロウギュウへは、笹原の快適な道。きつい登りがありますが、ちょっとの距離です。冬、登ると楽しそうだなあ、が、雪崩が起きそう。

三嶺への縦走路が、ジロウギュウの山腹をトラバースしています。31年前に、この道をベンとYAすベエの3人で歩きました。

山頂の展望は素晴らしいはずなのですが、あいにくのガスで何も見えませんし、誰もいません。今、3時過ぎです。帰ってお風呂に入ろう。

このヒュッテの従業員もオーナーもよく話をされます。二代目は、70を越えていると思われる方ですが、体力、気力とも十分で、さすがに、この道50年という感じでした。4時になって、お風呂(!)が沸きましたので、いちばんに入れてもらいました。小さな浴槽でしたが、笹の葉がつけてあって、いい香り、そして何やら落ち着くー。最高に気分のよいお風呂でした。ごめんなさい。笹の葉の袋を、ぐちゃぐちゃともんだものだから、ごみがたくさんお湯の中に出てしまいました。オイラの垢ではありませぬ。まり子さんも、いいお湯だったと、しきりにほめていました。きっと、山頂の山小屋でお風呂に入れるなんて思ってもいなかったし、実際に入って気持ちのいいものだったので、感無量だったのでしょう。ひょっとして、今回の山旅でいちばん印象的だったのではないかなあ?
⑮【お風呂上りです】快適なお風呂を出た後、まだまだ時間がありますので、外をぶらぶらしました。寒くありません。これが、頂上ヒュッテの入り口です。隣に宝蔵石神社があります。


コーヒーを入れましょう。ゆったりとしてリッチな気分です。そうそう、ひとこと言っておきますが、私はけっしてリッチではありません。でも、こうやって山小屋で泊まっているではないですか、ですって?それはふだんの生活が質素だし、ものをあまり買わないからです。このブログで、私の服装を見てくれたら分かると思いますが、けっこう同じものを着ているでしょう?それから、同じ道具が何度も出てくると思うのですが…。まあ、ものを大事に使う、新しいものをどんどん買わない、ふだんはけちけちで、ここぞというときにはお金を使う。こういう生活をやっておりまする。

これが「宝蔵石」で、この下あたりに平家の落ち武者が宝を隠したらしい。前は、ここへ登った記憶がありますが、今は柵がしてありますね。この岩は、神社になる前は、何本もの木が生えていたのですよ!

夕食は、またまた祖谷そばとアメゴ(フライ)でしたが、ほれ、こんなにきれいに盛り付けてあります。下の食べたのよりもずっとおいしかった。柚子のつくだに、梅味のひじき、「ここで」作ったこんにゃくとか、いろいろありました。食べているときに、「霧が晴れた。見えますよ。」の声あり。みんなが外に出ます。足下の山々が見えます。何といっても、ここより高いところはないのですから。夕焼けは無理かなあ?で、また中で食べていると、「晴れたよ。」の声あり。カメラを持って出ていきます。おちおち食べておられませんでした。
⑯【夕食】すべて手作り。ぜーんぶ食べました。アメゴの天ぷらは、頭から食べられます。

暗くなっても、霧が晴れるたびに外に出ます。待っていると、雲が流れてゆき、月が出ました。どうやら、中秋の満月(本当は月齢14)らしい。星も見えました。一番は、木星。カン違いしていました。今まで、北だと思っていたのは、実は南なのです。山頂よりも北側にいて、瀬戸内海側を向いているのですからね。それから、頭の真上にこと座のベガ(織女★)。となると、あれがわし座のアルタイル(牽牛★)。その間の天の川は月明かりのせいでまるで見えません。次は、白鳥座のデネブ。これで夏の大三角がそろいました。しばらくすると、白鳥座の十字形がぜんぶそろいました。隣に、小6のしっかりとした女の子を連れたお父さんがいて、あれこれとしゃべっています。少年自然の家とか何とか、そんなところに勤務していて、星のこともよく知っておられました。ただ、ちょっとしゃべり過ぎ(笑)。誰かに似ているなあと感じていて、家へ帰ったあと思い出しました。映画「天然コケッコー」に出てくる郵便局のあんちゃんのシゲちゃんだ。彼が、神楽を見ながら子供たちにぺらぺらぺらぺらと説明している。しかし、子供たちは誰も聞いておらず、どうでもいいと思っていて、そのうちみんな帰ってしまう…。
⑰【中秋の満月】みんな外でわいわいがやがやと夜空を見上げています。

ちょっと前までは、寒かったらしいのですが、今日はそんなことはありません。南から温かい空気が入っています。上空には寒気があって、不安定な天気のはずですが、とにかく温かい。毛布一枚とお布団だけで、ぐっすりと眠りました。
では、今日はここまでです。
さて、天気が思わしくなくて、懸念だった剣山登山、結局私たち2人だけで登ってきました。一泊して、翌日下山と同時に雨が降り出してラッキーでした。体力はそれほど使わなかったし、いい人が多くて楽しいのんびりした山行でした。では、紀行記です。今日は、「剣山登山第一日目」です。
朝は、高速道路の通勤割引が5時から9時までなので、わりとのんびりと7時半に家を出ました。あとから思えば、もう少し早く出ていたほうが、あちこち寄ることができたはず。天気がいまいちだったので、心のどこかでブレーキがかかっていたのでしょう。雨の登山はしたくない。となると、せっかく徳島まで行って、そのまま帰るなんていやですからね。降るなら早く降ってくれ、という気持ちでした。
①【与島の展望台より】タンカーがどんぶらこと泳いでいますね。海の眺めはなかなか良いです。

ところが、高速道路を走って、瀬戸中央道に入っても、晴れているではありませんか。まあ、南へ行くとどうなるか分からないですが、とりあえず、やる気まんまんになりました。有名な与島PAへは行ったことがないので、寄りました。ところが、きっと古い油だったのでしょう。朝っぱらから、てんぷら屋のいやな、吐き気を催す匂いをたっぷりかがされて、第一印象、超悪。別においしいものとかきれいなものもなかったですね。ちょっとだけいい景色を眺めて、出発しました。たぶん、二度と立ち寄ることはないでしょう。
②【同じく展望台にて】ご存知、瀬戸大橋のうちの1つ(名前は?)。そばの男の子は、私の孫?(ではありません)


坂出ICから、国道438号線をひたすら南下する。田舎道なのに、前の車が遅い、どうしてこんなに遅いんだ。ガソリン代は、少し安くなったのだし、信号のない平らな道なのだから、(オマワリさんもたぶんいないので)もっと早く走ってくれー。えらく手間取ってしまいました。余裕があれば、満濃池にも寄ろうと思っていましたが、パス。やがて、ちょっと山越えして、美馬ICのある貞光まで来て、さあ、ここからが本番です。あいかわらず道は国道438号線です。深ーい深い谷川沿いにある商店で、トイレを借りてサンドイッチを買って、ちょっと腹ごしらえをしました。
③【深い谷を隔てた向こうの人家】懐かしい風景です。イノシシ除けがあります。ここには、この4軒しか人家はないのです…。

さてさて、人家は途絶え、道はだんだん狭くなり、渓谷沿いにはたまた山腹を巡って、車はどんどんと高みへ登って行きます。秘境だ。愛媛や高知の山村に匹敵します。わが広島県にはすでに見られなくなった風景が展開します。これって、懐かしくてわくわく興奮しますね。ど田舎大好き。そしてね、恐るべきことに、この先に人は住んでいないだろうと思っていると、突然に集落が出現するのです。こんな高いところに家なんてないだろうと思っていると、突如として畑があり人家が見えるのです。
そうこうしているうちに、旧剣山ドライブウェーまでやって来ました。貞光からの道は、31年前に通った道ですが、狭くあちこちで道路工事をしていたくらいしか覚えていません。たった一箇所、途中休憩したところに見覚えがあっただけです。このドライブウェーは、自衛隊が作った道路として有名で、31年前は断崖絶壁を通る未舗装のでこぼこ道でした。現在はもちろん舗装されていますし、ところどころ広くなっていて、一車線ですが、十分に交わせます。ガードレールもばっちりあるし、何よりも周囲の樹木が大きくなり生い茂っているので、断崖絶壁は完全に隠れています。スキー場(こんなところまで来る気が知れませんが…)、夫婦池の峠を過ぎたあたりから、舗装やり直しの道路工事、そして断崖絶壁を道になりましたが、広くしているので何のことはありません。ということで、登山基地の見ノ越(みのこし)までやってきました。
④【昼食】なかなか美味しそうでしょう。1500円は高いね。足元を見やがって、くそ。


ただいまの時刻は12時半でした。途中、遊ばなければ4時間ちょいで来るのです!これには、驚きました。石鎚スカイラインを通って土小屋までと同じ所要時間ではありませんか。福山~坂出が1時間、坂出~美馬が1時間、美馬(貞光)~見ノ越が2時間という具合です。これからは、せっせと剣山へ来ることにしますので、徳島支部のみなさんは、たまには山に登りましょうね。
まず昼食です。もちろん祖谷そばとアメゴの塩焼きです。むむむ、「レストハウス霧の峰」大昔もここで食べた記憶があります。しかし、ここはやめましょう。愛想がないし、高いし、値段の割にはおいしくありません。どうしても観光客は、いちばん大きな派手な店に入りますが、ここはよくありません(断言)。かくして、お店の人は、一見の客の怖さ、インターネットの怖さを知るべきなのです。
⑤【剣山登山リフト】残念ながら、写真ではよく分かりません。大きな傾斜でけっこう怖い。


雨は降っていませんが、上、つまり山のほうは完全にガスの中です。とりあえず山頂まで行って、ヒュッテで天気を尋ねてから、泊まるかどうかを決めよう、そのためには、荷物を全部持ち上げようということになって、もちろんほとんどの荷物を私の大きなザックに入れて準備をしました。私一人ならば、下から歩くことを選択したでしょうが、そこは山では弱いまり子さんがいますので、途中まで登山リフトを利用します。これが高い!往復で一人1800円です。数あるリフトの中で、最も高いのではないでしょうか?でも、こんな山奥で季節限定、天候に影響される、また安全管理の必要な商売ですから、経営としてはこれくらいは取らないとやっていけないと思います。インターネットからの10%の割引券を使ってちょっとだけ得をしましょうね。15分間で、水平850m、垂直330mほど運んでくれて、終点の西島駅(標高1750m)に着きます。ふふふ、実は剣山は、石鎚に次ぐ高さで、1955mなのですが、これであと200mの標高差を詰めればいいのですから、まり子さんにも登れると思ったのです。このリフトはかなり急勾配です。下りが期待できます。途中で登山道とクロスします。
⑥【リフト終点より】終点は山腹ですが、地名はなぜか「西島」今度来た時は、その由来を聞きますね。頭上に、山頂ヒュッテの別館「雲海荘」が見えます。あそこまで行けばいいのです。大きく見えている割には、距離はありますから御用心。

西島駅から山頂までは、3本の道があります。いちばん急坂ですが、所要時間が短い尾根道コースを選びました。まり子さんがぐずぐず言っても、短時間なら何とかごまかせるからです。帰りは、最も人気のある大剣神社コースを取ることにしましょう。最悪なのは、遊歩道コースです。最初は、その名のとおり、たら~んとした、ほぼ水平道なのですが、どっちみちツケはやってくるのであり、ぐるりと回った後は、ひたすらジグザグジグザグと斜面を登っていかなくてはなりません。いやになります。まあ、お年寄りにはいいかもね…。
⑦【登山道にて】まあ、こんな感じの階段状の道がずっと続きます。階段は疲れますが、ゆっくりと登るならば楽です。ガスが出ていますね。雨の準備をしていますが、結局、山では一度も使いませんでした。


話に聞いてはいましたが、剣山の鹿害(しかがい?)はすさまじいものがあります。毒草のトリカブトと、たぶんまずいのだろうクガイソウ以外は、よく食べられていて、クガイソウの群落の中が円形、楕円形に剥げています。そこだけ、食べ尽くしたのです。植生が単純になってしまうのは、仕方がないですが、降水がもろに地面をはいますから、だんだんと土壌がはげてきて、崖が崩れていきます。大規模な崖崩れを防ぐために、尾根には網を張って、鹿が入れないようにしています。尾根が裸になると、そこから大量の水が土壌に浸入して崖崩れを引き起こすからです。笹原や林の中に、彼らの通り道が何本もできています。そして、くちゃーいんだ、ウンチがあちこちあります。山中の鹿はけっこう夜行性ですから、昼間は谷あいで眠っているのでしょうね。今回は一度も見かけませんでした。標高の低い山林はもっと悲惨です。上から見るとよく分かりますが、木々の間に草はありません。土が見えています。これでは、雨が降るたびに土壌が流されて、ひいては樹木の根が洗われて、倒れてしまうかもしれません。わずかのカモシカも鹿に追いやられて、数が減っているそうです。南アルプスは、本当に何箇所も崖崩れが起きていて、登山道を作り変えています。そのうちに、食べ物がなくなって、また鹿の数は減るはずですが、少しは人為的に数を減らしたほうがいいのではないかと思いますねー。
⑧【シコクブシ】猛毒トリカブトの一種です。剣山はほとんどこればかりです。漢字で書くと、「四国附子」ですが、狂言の「附子(ぶす)」については、いくらかご存知ですよね。やはり毒です。

⑨【鹿のフン】ま、見たら分かりますね。ぽろぽろと、あそこから落ちてくる。

さて、何だかんだと言いながらも、頂上ヒュッテに着きました。しかし、まずは、そのまま山頂まで行きましょう。そうそう、この頃になるとちょっと雲が切れてきました。日が差すと暑いです。ガスも流れ去って、まあまあ景色が見えています。ラッキー。写真を撮りましょう。そして、ヒュッテで相談です。
⑩【剣山山頂にて】知らない人は、剣山の名前から、険しい山容、尖った山頂を想像するかもしれませんが、しかしてその実体は、なだらかな山容、平らな山頂なのです。え、ここがてっぺんなの?初めての人は、みんなそう言います。

満足、満足。腹は見ないように。うーん、どうしても目がいってしまう…。ふだん、私もそうです。

⑪【向こうに見える次郎笈(じろうぎゅう)】変な名前の山ですが、美しい山です。剣山よりも人気があります。

⑫【まあ、こんな感じ】部分的に、石鎚や瓶ヶ森に似ています。一面の四国笹にツガかシラベの立ち枯れの白骨樹が点在しています。

向こうに見えるのは、手前から「二の森」「一の森」です。石鎚山系にも、「二ノ森」という山があります。一の森のヒュッテは居心地がいいらしいですー。今度来たら、このあたりも「散策」しようと思います。

⑬【笹で覆われた山頂】ですが、少し前は、山頂は裸地でした。草や笹が、多くの登山者に踏まれて枯死して、春の雪解け水で表土が流されて悲惨な状況だったようです。それは大山も同様でした。そこで5億円かけて、山頂一帯に木道、展望テラスを設けて、そこ以外は立ち入り禁止という強硬手段をしいたのです。現在は、このようにきれいに復活しています。大山も今はきれいになっていますね。

「こんにちは。予約をしていた者です。来たのですが、実は泊まろうかどうか迷っています。明日の天気次第なのですが、明日は雨でしょうか?」「これだけは、どうしても天気次第というしかないのです。が、きっと今日と同じようなものでしょう。」ということでしたので、せっかく来たことだし、のんびりしたいので泊まることにしました。そして、お腹が空いたので、おでんを取って食べました。この時期は、いわゆる山の端境期なのです。花は終わっているが、紅葉にはちょっと早い、メインのアトラクションがないときです。でも、まだ緑は濃いし、秋の花がいくらかあるし、何より人が少ない、静かな良い時期なのです。今回も、4グループで、9人だけの泊まりでした。
とりあえず、天気がもっている間に、隣の次郎笈(じろうぎゅう)まで行って来ることにしました。美しい山です。剣山の女房のような感じの山(笑)。剣山の頂上をすたこらと下りて、また登り返して、40分くらいで着きました。ところが、その頃から、またガスが出てきて、どうもこうもならないくらい、真っ白くなって何も見えなくなりました。それで、さっさと引き返しました。
⑭【晴れていたらなあ】ジロウギュウへは、笹原の快適な道。きつい登りがありますが、ちょっとの距離です。冬、登ると楽しそうだなあ、が、雪崩が起きそう。

三嶺への縦走路が、ジロウギュウの山腹をトラバースしています。31年前に、この道をベンとYAすベエの3人で歩きました。

山頂の展望は素晴らしいはずなのですが、あいにくのガスで何も見えませんし、誰もいません。今、3時過ぎです。帰ってお風呂に入ろう。

このヒュッテの従業員もオーナーもよく話をされます。二代目は、70を越えていると思われる方ですが、体力、気力とも十分で、さすがに、この道50年という感じでした。4時になって、お風呂(!)が沸きましたので、いちばんに入れてもらいました。小さな浴槽でしたが、笹の葉がつけてあって、いい香り、そして何やら落ち着くー。最高に気分のよいお風呂でした。ごめんなさい。笹の葉の袋を、ぐちゃぐちゃともんだものだから、ごみがたくさんお湯の中に出てしまいました。オイラの垢ではありませぬ。まり子さんも、いいお湯だったと、しきりにほめていました。きっと、山頂の山小屋でお風呂に入れるなんて思ってもいなかったし、実際に入って気持ちのいいものだったので、感無量だったのでしょう。ひょっとして、今回の山旅でいちばん印象的だったのではないかなあ?
⑮【お風呂上りです】快適なお風呂を出た後、まだまだ時間がありますので、外をぶらぶらしました。寒くありません。これが、頂上ヒュッテの入り口です。隣に宝蔵石神社があります。


コーヒーを入れましょう。ゆったりとしてリッチな気分です。そうそう、ひとこと言っておきますが、私はけっしてリッチではありません。でも、こうやって山小屋で泊まっているではないですか、ですって?それはふだんの生活が質素だし、ものをあまり買わないからです。このブログで、私の服装を見てくれたら分かると思いますが、けっこう同じものを着ているでしょう?それから、同じ道具が何度も出てくると思うのですが…。まあ、ものを大事に使う、新しいものをどんどん買わない、ふだんはけちけちで、ここぞというときにはお金を使う。こういう生活をやっておりまする。

これが「宝蔵石」で、この下あたりに平家の落ち武者が宝を隠したらしい。前は、ここへ登った記憶がありますが、今は柵がしてありますね。この岩は、神社になる前は、何本もの木が生えていたのですよ!

夕食は、またまた祖谷そばとアメゴ(フライ)でしたが、ほれ、こんなにきれいに盛り付けてあります。下の食べたのよりもずっとおいしかった。柚子のつくだに、梅味のひじき、「ここで」作ったこんにゃくとか、いろいろありました。食べているときに、「霧が晴れた。見えますよ。」の声あり。みんなが外に出ます。足下の山々が見えます。何といっても、ここより高いところはないのですから。夕焼けは無理かなあ?で、また中で食べていると、「晴れたよ。」の声あり。カメラを持って出ていきます。おちおち食べておられませんでした。
⑯【夕食】すべて手作り。ぜーんぶ食べました。アメゴの天ぷらは、頭から食べられます。

暗くなっても、霧が晴れるたびに外に出ます。待っていると、雲が流れてゆき、月が出ました。どうやら、中秋の満月(本当は月齢14)らしい。星も見えました。一番は、木星。カン違いしていました。今まで、北だと思っていたのは、実は南なのです。山頂よりも北側にいて、瀬戸内海側を向いているのですからね。それから、頭の真上にこと座のベガ(織女★)。となると、あれがわし座のアルタイル(牽牛★)。その間の天の川は月明かりのせいでまるで見えません。次は、白鳥座のデネブ。これで夏の大三角がそろいました。しばらくすると、白鳥座の十字形がぜんぶそろいました。隣に、小6のしっかりとした女の子を連れたお父さんがいて、あれこれとしゃべっています。少年自然の家とか何とか、そんなところに勤務していて、星のこともよく知っておられました。ただ、ちょっとしゃべり過ぎ(笑)。誰かに似ているなあと感じていて、家へ帰ったあと思い出しました。映画「天然コケッコー」に出てくる郵便局のあんちゃんのシゲちゃんだ。彼が、神楽を見ながら子供たちにぺらぺらぺらぺらと説明している。しかし、子供たちは誰も聞いておらず、どうでもいいと思っていて、そのうちみんな帰ってしまう…。
⑰【中秋の満月】みんな外でわいわいがやがやと夜空を見上げています。

ちょっと前までは、寒かったらしいのですが、今日はそんなことはありません。南から温かい空気が入っています。上空には寒気があって、不安定な天気のはずですが、とにかく温かい。毛布一枚とお布団だけで、ぐっすりと眠りました。
では、今日はここまでです。


