はと/13日

 みなさん、こんばんは。おぼんでやんす。
 そろそろ涼しくなって欲しいですが、変わらずで、おまけにここは雨が降りません。日本全国、あちこちと降っているようなのですが、だめですね。もう台風に直撃されてもいいから雨が欲しい。雑草が枯れつつあります。
 お盆は、どう過ごされていますか?帰省したり、帰省されたりでにぎやかならいいですね。私のところも、2人の子供と3人の孫が帰っています。まだ、勢ぞろいしていないのですが、今晩あたりそろうようです。孫は3人とも走り回るときなので、目が回りそうです。公園に連れて行って、逆上がりをしたら、本当に目が回りました。
 さて、山の話でもしますか。実は、天気が良くなくって残念な、くたびれもうけの山行でした。本当は、今日までいるつもりでしたが、天気予報では、雨、そして雷雨ということで、山に入って2日間も霧、小雨、雷雨、ほんのときどき青空という調子だったので、いやになって下りて、昨日の夜に帰ってきました。しかし、下山時に、午後からは雨、雷雨の予想とは逆によく晴れて、その時間だけで日焼けをしました。しかも、今日も信州の山は晴れていたようなのです。台風もいるし、前線も日本列島を北から南まで縦断しているのに、ここ福山と山は雨は降らなかったようです。ここ数年、お盆の山の天気は良かったのに、今年は運が悪かったです。
 まず、13日のことです。早朝4:49の電車で、駐車場でのんびりしていたら時間が危なくなって、走って駅まで行ったため、山に登る前に発汗その1を実行。2分前にホームに立ったら、掲示板に今度出発の電車の案内があって、「岡山行き5:**」。れれれ、もう出てしまったのかいな?ホームの時計はまだ4:47。あわてて改札まで戻って聞いたら、「福塩線のホーム」から出るとのこと。また、突進して、山に登る前に発汗その2を実行。岡山から、のぞみに乗換えで、ふだんならのんびりできますが、なんせお盆なので、とりあえず走って行って並んで待つことを実行して、山に登る前に発汗その3。名古屋から、特急しなのに乗り換えで、始発だから、わずかの望みを抱いて、1番線ホームまで走る走る。山に登る前に発汗その4。予定を組むのがぎりぎりだったせいもあるけど、朝いちの指定席は夏は取れませんね。みんな、その日のうちに山に入りたい思いは同じなのでね。汗をかきましたが、そのかいなくkept standing all the way to Matsumoto.
 松本駅で、こんどはバスですが、駅の表口に出てびっくり仰天。バス乗り場がない!ずらりと駅前に並んでいたのに、なんてこった。また駅まで戻って尋ねたら、「なんたら」というデパートの中にあるから、出て右の方へ行けばいい、とのこと。なんでデパートの中にあるんだい?という疑問を抱きながらも、尋ね返す時間がないので、お礼を言って突進。そうしたらね、同じように悩んでいる人が何人もいて、いっしょにまずその「なんたら」デパートを探すのだけれども、看板が小さいし、変な和製英語のような略語だったので、見つからない。やっと私が、緑色の小さな看板を見つけました。松本市の中心部は大きな街ではないので、デパートと言ったって、スーパーのようなものなのです。あれじゃわからないよなあ、とみんなでぶつぶつ言いながら、時間がないので必死で走ります。もう暑い。松本は夏はしこたま暑いのです。デパートの中に飛び込むと、幸いバスターミナルの案内はすぐに分かって地下に下りる。切符売り場に行くと、「ここは往復のみで、片道は自動販売機で買って下さい。」という。私の前の女の人が、1万円札が機械に吸い込まれなくて苦労してる。うーうーうーはよーしてくれ。で、とうとうその人はあきらめた。機械を見るとちゃんとランプはついている。私の後ろにも何人かいるし、時間がない。心を静めて札のしわを伸ばして入れたら、おお神様、一発で通ったよ。で、バス乗り場へ向かう。ドアを開けて、少しまっすぐ右へそして上へ。要するにデパートの中を通り抜けて裏側のバスターミナルへ突進です。うしろの人たちは、切符を買う時間がないので、車掌から買うことに決めたようです。ひー、しんどい。背中のザックがゆっさかゆっさか。もうだめだー。いや、本当にダメだったんです。時間オーバー。山に登る前に発汗その5。
 しかし、ここまでかいた汗に免じて神様は最後に手を差し伸べて下さいました。すでにバスが出てしまったターミナルに着いて、もう出ましたよね?と聞くと、「ええ、ですが、乗り切らなかったので、すぐに増発便を出します。もうすぐやって来ますからお待ちください。」とのありがたいお言葉。あとの続いた方々と、良かったーと思わず顔を見合わせ幸せに笑いました。これを逃すと1時間遅くなり、私としては生死に関わる問題になるのでした。やがて、バスが来ました。あっと驚く為五郎。運転手さんはうら若い女性でした。いや、街ならば驚くことはありませんが、信州の山道運転ですよ。上高地までの道は車通りは多いですが、山岳道路です。崖ップチを走るし、道は狭い。トンネル(狭いし、恐ろしいことにトンネル内部に交差点がある!)も多いのです。さすが信州とふと思った。優しくかつ活きのいい女の人でした。ちなみにバス会社の名前は、Alpico(アルピコ)松本電鉄です。
 さて、上高地へバスが着いたのは、12:15で、定時より20分遅れです。このシーズンは仕方がないでしょう。ここ何年か前から、シーズン中は上高地へのマイカーは乗り入れ禁止で、途中の駐車場からバスでピストン輸送しています。私の感覚では、たしかにマイカー規制で、交通の混雑も排ガス公害も減ったと思いますが、観光客は増えましたねー。以前は、釜トンネルでの渋滞と駐車場不足で、マイカー族はおのずと自粛していて、その結果、人だかりは多いにしろ限度があったと思います。しかし、今は、基本的にバスがいくらでも人を送り込める状態になっているのです。マイカーの駐車場は常に満車状態ですが、ツアー会社としては、渋滞の遅延なしで観光客を募集して契約のバスで送り込めるので、現地ではオーバーユースになっている気がします。皮肉なものですね。

①【よく見る風景】
 上高地バスターミナルからすぐ裏が梓川です。まずそこから見られる風景です。正面の沢は、岳沢(だけさわ)といい、登りつめて奥穂高、前穂高、西穂高へと向かいますが、見えている稜線は山頂ではありません。尾根の先端部だと思われます。たとえば、奥穂の南稜の頭とかです。あえて言えば、右奥のピークらしきものは前穂かもしれませんが、紀美子平(きみこだいら)の先端部かもしれません。本当に3000m級の山々の頂上は、ある程度登らないと実際に見ることはできません。


②【ご存知、河童橋】
 これも上高地を代表する橋、そして風景ですね。ちょうどお昼時ですので、人は、橋の上にあまり群がっておらず、河原とか食堂・レストランにわんさかといます。山登りする者は、見向きもせずに上流へと歩いていきます。


③【小梨平(こなしだいら)キャンプ場】
 どこからどこまでがサイトか分からないくらい広いキャンプ場です。家族、あんちゃんたち、ねえちゃんたち、カップル、山屋、大学のサークルなど、ありとあらゆる人たちがテントを張っています。トイレ・炊事棟があちこち、シャワー棟や売店もあり、温泉なら近くのホテル・旅館に行くこともできます。私も、ここで何回かお世話になりました。少し低いところへ張っていて、雨が降りテントが水に浮かんだことがあります。また、焼岳の火山活動が活発なときは、しょっちゅう軽い地震が起きていてぐっすり眠れなかったこともあります。今回も、ここを歩きながら、「いいなあ、快適で楽チンで。おいらも山登りを止めて、ここでのんびりしたいよー。」と思ったものでした。


④【野猿】
 そろそろキャンプ場を離れるころ、猿が一匹、ひょこひょこと歩いて出てきました。上高地では、猿はあちらこちらで見ることができます。数匹が木に登って木をゆさぶって遊んでいることなどしょっちゅうです。川や池には鴨がたくさんいます。この頃になると、行き交う人々の中で、登山者の数が多くなってきます。


⑤【明神岳の稜線の頭】
 遊歩道が、ときどき梓川のそばを通り、森林から抜け出ると北アルプスの山岳が見えますが、これも山頂ではありません。上高地のほぼどこからでも見える、その代わり場所により形が変わって見える明神岳ですが、左の尖ったところ、右の高いところはいずれも山頂ではなく、稜線の突き出たところだと思います。しいて言うならば、真中のちょっとだけ盛り上がって見えるところ、あそこが山頂かもしれません。


⑥【明神池】
 今、私は上高地のいちばんにぎわっているところ、バスターミナル、大正池、帝国ホテル付近の山登りする者はほとんど立ち寄らないところから、どんどん奥へ歩いています。距離にして12kmくらい奥へと歩いて行かないと登山口にたどり着かないのです。だから、1時間の遅れは致命的だと言いました。午後3時には、登山口に着いていないと、今日のうちに蝶ヶ岳に登ることは危険であきらめなければならないのです。よって、寄り道はできないのですが、この明神池だけは抜かすことができませんでした。1つはこの清冽な風景を眺めたいのと、嘉門次小屋で岩魚の塩焼きを食すためです。しかし、写真には写っていませんが、すごい人だかりです。岩魚の塩焼きはいろりでその場で焼いてくれるのですが、相当待たないといけないので、あきらめました。結局、ここで半時間のロスです。まだ先は長いのです。とほほ。


⑦【梓川の上流】
 川幅が広くゆったりと流れているので、上流というと変ですが、山岳地帯から流れ出る河川はたいていこのように、上流でいちど川幅が広がって大量の小石や砂を運搬・堆積させます。大井川の上流は川幅が1kmもあり、その中を車が走る道がついているくらいです。この奥の突き当たり付近が目指す登山口のある横尾(よこお)です。まだまだ遠いのです。ただし、もう少し行くと徳沢に着きます。


⑧【徳沢】
 写真のヒュッテは、井上靖の小説「氷壁」で有名な徳沢小屋のモデルとなった徳沢園というヒュッテです。当時と比べるとずいぶんときれいで近代的になっていると思います。といっても、私が学生のころ訪れたときと建物は変わっていないようです。そして、私の立っているあたりがキャンプ場です。ここでも2回テントを張りました。夜になって、すぐそばを流れている梓川に入って体を洗いましたが、冷たくて冷たくて1分も入っておられませんでした。私の横を何匹もの鴨がガアガアと鳴きながら泳いでいましたが、やつらは平気なようですね。懐かしい場所です。


⑨【横尾大橋】
 徳沢までは、まだもの好きな観光客が足を伸ばすこともありますが、さすがに、ここ横尾となると登山客しかいません。ここで、槍ヶ岳に向かう者は右の槍沢へ、穂高連峰へ向かう者は左の涸沢(からさわ)へと別れます。涸沢へ行くには、この横尾大橋を渡ります。正面の山は、屏風岩ですから、ちょうどその裏側に涸沢があります。
 ただ今、ちょうど3時。予定通りの登山口到着となりましたが、スケジュールを守るためにずいぶんと無理な歩行をしましたー。あんよが痛いよー。空を見ると天気が悪くなりそうだし、遠くでゴロゴロと鳴っているし、ここで一泊するかなーと弱音を吐きそうになりましたが、横尾山荘がただ今大幅改築中で、宿泊定員がたったの60人!もちろんお盆のさなかには、最低でもその2倍は詰め込むからぎゅうぎゅう詰めになるのは火を見るよりも明らか。まあ、そのおかげで決心が鈍るのを防げました。予定通り、今日中に蝶ヶ岳を詰める。3:10登山開始。3時間で標高差1000mをやっつけるのです。


⑩【槍見台】
 登り始めて20分(案内書データは40分)のところにある槍見台より。名前から、晴れていれば目の前に槍ヶ岳が見えるのでしょう。しかし、完全なガスの中です。左側の固まりは屏風岩ですので、今見えている山々の1つ後ろに高々とした稜線があり、その上に突き出る形で槍ヶ岳は見えるはず。要するに槍ヶ岳につながる稜線はガスの中でまったく見えていませんね。


⑪【稜線到着】
 標高2625mの稜線にやっと到着しました。長かった。いや時刻はちょうど6:00ですから、ぴったりと予定通りで来た訳です。オイラエライ?えらいえらい!しっかし、ど疲れしたよ。あんよが痛いよー。山腹を直登しているので、距離は短い。したがって無理をすれば短時間で登れる。そう、そう踏んでこのコースを選んだのだけど、オイラもう年だよ。疲れてしんどくて山登りがいっぺんにいやになったよ。疲労回復を待ちながら暗算しました。1000m÷3時間=333m/時=333m/3600秒=約0.1m/秒=10cm/秒 ふんふん、1秒につき10cmずつ上昇してきたのかー。あまり良くないペースだな。これは年と運動不足のせいだな、反省。しっかし、ご苦労なことだ。途中で足が上がらなくなって、何度も何度も立ち止まって休憩しました。ただ、1分くらいですぐに回復するのだけが頼みの綱。森が深くて、しかも森林限界が高い。ここは南アルプスか、と思ったくらい歩けども歩けども、樹林帯から抜け出ない。それが疲労感を倍増させました。樹林帯は暗いですから、5時を過ぎるとアドレナリンと冷や汗が出ます。まあ、途中へばってもヘッドランプがあるし、7時までに山小屋に着けば何とかなるだろうと思って、気持ちを奮い立たせます。そして、待望の森林限界、するとあと100mくらい高度を稼げば、稜線でした。しかも、稜線はまだこんなに明るい、るんるん。とりあえず日が射しているし。でも、上高地川の槍・穂高のあたりは深いガスというか雲が垂れ込めていて、何も見えません。少しだけ安曇野(あずみの)側が見えています。


⑫【蝶ヶ岳】
 ずっと奥に見えるのが蝶ヶ岳です。山頂の位置が最高点(2677m)に変更になり、この写真のいちばん高いところです。今までは、私の立っている後ろ側(2664m)でしたが、実情に合わないので変えられました。岩陰に赤い屋根が見えますか?今夜の宿の蝶ヶ岳ヒュッテです。昔、2回利用しました。1回はテントでしたが。YAすベエが会社の仲間と登った記事があったでしょう。そして下山時(三俣)に風雨に会い、ひどい目にあったというやつ。あそこですよ、あそこ。春に山頂の下あたりに大きくて見事な黒い蝶の雪形ができるので、そういう名前がついています。見た目、なだらかに見えますが、大きな山稜をしているだけで、実際に歩くとけっこうきつい。特に疲労していると、すぐそこに見えているものが、歩けば歩くほど遠くなる錯覚に襲われます。長年に渡って雪が解ける時に、稜線が侵食されてへこんでできた二重山稜で有名です。


 ともあれ、案内図での所要時間20分を、死ぬ気で半分の10分に縮めて、ヒュッテの受付に飛び込みました。これで、登山開始後ちょうど3時間の6:10に目的地到着になるからです。オイラエライ?えらいえらい!たいていの山小屋が5時までの到着を目安にしています。それ以後、到着すると、機嫌が悪いのです。夕食を出しませんよ、と憎まれ口たたかれることもあります。一つは、山小屋運営の段取りが難しくなることと、もう一つは、危険を冒す登山者自身への警告の意味があります。ということで、はなからルール違反を犯すつもりでいた私でございまするから、平身低頭おだやかにお願いしましたら、なかなか良い部屋を与えてくれました。広いきれいな、戸付きの部屋で、私のほかには一組の中高年カップルだけです。ふとんも三人で使用すべきものを一人で使うことになりました。きっと、6時までにやってきたお客を通常の部屋へきちんと平均的に割り振ったあと、遅いものが3人来たものだから、仕方なくとっておきの部屋を提供したのではないかと思います。ちなみに、相部屋のカップルともいろいろと話しましたが、どうやら夫婦ではない御様子…。それでは、お休みなさい。(本当はまだ寝ていませんよ。メシ食って、ちょっとだけウェットティッシュで体を拭いて、下の談話室でだべって本を読んで、外に星を見に行って、学生のアルバイトと話をして、天気予報を聞いて、2回くらいウンチして、3回くらいシッコして、水だけで歯磨きして、と山小屋の夜は忙しいのです。)



2008年08月16日 Posted byPoppo at 23:35 │Comments(0)

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